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カンボジアのエイズ問題

エイズのはじまり

エイズを発症させるウイルス「HIV」(ヒト免疫不全ウイルス)は、1940-50年代ごろに、アフリカ南部のコンゴ(旧ザイール)にいたチンパンジーから、人間に感染したと考えられている。
その後10年ほどかけて、コンゴのジャングルに住む人々が発症し始めるとともに、内戦のためにこの地域を行き来しているゲリラ軍や政府軍の兵士、トラックなどの運転手や商人たちの体を経由して、アフリカ一帯へと感染が広がった。1970年代には、アメリカやヨーロッパへも広がり始め、エイズという病気とHIVの存在が知られることになった。
そして1990年代後半になって、エイズはアフリカ南部の国々にとって、最も深刻な問題となった。ボツワナでは、HIV感染者の推定数は、1992年には国民の10%だったものが、1997年には25.1%にまで増えた。
若い女性の間で、特に感染率が高く、1997年の都市部での調査では、検査を受けた妊娠中の女性のうち43%が、HIV感染していた。隣国のジンバブエでは、1995年の調査で、妊婦の32%が感染していた。
エイズは、旅行者が多く集まるところで、感染が広がりやすく、たとえば世界的な観光地として有名な、ジンバブエ北部の「ビクトリアの滝」周辺の地域では、HIV感染が成人住民の40%近くにまで達しているという。
また、各国の港や国境の町でも、感染率が高い。いずれも、男性旅行者や運輸業界で働く男たちの買春が、感染を広げたのではないかと思われる。

 

アジアでも広がる可能性

エイズ問題は、アフリカだけでなく、アジアの貧しい人々の間でも、広がりそうな気配を見せている。カンボジアでは、HIV感染者は、人口の5%にあたる50万人程度だと概算されていたが、カンボジア政府は昨年6月、実際には感染者は、倍の100万人程度になっている、と発表している。
また、インドのタミルナード州などでも、これまでHIV感染者はほとんどいないと思われていたが、農村部の人口の2%が感染しており、有効な政策が取られない場合、感染者が増えていくおそれがある。
カンボジアに正しい性教育を伝える事が、アジアのエイズ人口の減少に繋がります。

 

アフリカでの成功例

ウガンダでは、1994年には成人の感染率は13%だったが、97年には9.5%にまで減っている。国を挙げてキャンペーンを行う一方、学校では、それまであまり行われていなかった性教育に力を入れた結果、感染の増加に歯止めがかかった。
また、タイやタンザニア、セネガルなどでも対策が取られ、感染者の増加に歯止めがかけられている。
彼らに学校へ行く機会を、知識を得る機会を与えることがエイズ問題を克服するキーポイントになると思います。

 

カンボジアのエイズ問題映像